・子供に将来どうなって欲しいのか
子供に将来どうなってほしいかを考える場合、基準となるのはやはり自分自身の経験であると思います。私自身のことを思い返してみました。

中学生の時から「将来なりたい職業」が明確にあったわけではありません。
「風の谷のナウシカ」を観て環境問題を憂い
「日本の川を旅する」を読んでアウトドアライフに憧れ
「思い出ぽろぽろ」を観て有機農業を真剣に考え
「ナニワ金融道」を読んで金融業界に興味を持ち
大学卒業後に正社員として地方銀行に就職しました。

・就職先を決めた現実的理由
学生時代に明確な職業への憧れなどはありませんでしたが、おそらく今でも実態としては変わらないでしょうが中途採用で金融機関に採用されるにはそれ相当のキャリアが必要です。
学卒後に働ける職場としては恵まれた環境であること、安定した収入が見込めること、全国的に展開している企業でないため転居による精神的負担が少ないことなどの極めて現実的理由により就職先を決めました。
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・考えを変えた文章との出会い
結果、20年近くも正社員として勤務していたのですから、仕事に対しての不平不満はあるにせよ、それが我慢できないほどの苦痛ではありませんでした。しかしながら、6年前にこの論文を読み、居ても立っても居られない気持ちにさせられまさした。

終身雇用制(厳密に言えば定年雇用制)は一種の奴隷制度である。奴隷は、食事を与えられる代わりに、自由を放棄し、主人から命令されたとおり働く。同様に、日本の企業奴隷も、一生の生活を保障してもらう代わりに、自由を放棄し、会社から命令されたとおり働く。だから、残業を命じられても、断れないのだ

                 永井俊哉ドットコム「ゆとり教育とゆとり労働」

私自身は残業を命じられることはあまりありませんでしたし、無理難題を押し付ける高圧的な上司も居りませんでした。理性的な同僚や、尊敬できる先輩も数多くいました。営業成績に対しての厳しさは当然ありましたが、それで体調や精神のバランスを崩したこともなかったです。だからこそ永く勤めることが出来たのであると思いますが、上記のような文章を目の当たりにして、現実を突きつけられた思いでした。

・効率的に仕事をこなすということ
日本の職場では、てきぱきと仕事を片付け、他の社員(特に先輩)が全員夜遅くまで残業しているというのに、一人だけさっさと早く帰ってしまう社員に対して、周囲は尊敬のまなざしどころか冷たい視線を振り向ける。つまり、仕事の効率を上げようとすると、「付き合いが悪い」と言って非難されるのだ。

                 永井俊哉ドットコム「ゆとり教育とゆとり労働」

この言葉など、まさに当時の私そのものでした。いくら効率的に仕事をこなしても、浮いた時間で新たな仕事を受けない限り評価が上がることはありません、むしろ非難されるくらいです。これでは、仕事に対して真摯に向き合えば向き合うほど、矛盾に突き当たります。もちろん、仕事を通して学ぶことや生活のためとして正社員でいることの安定感は、そこにいると分からなくなるくらいですが、魅力的なものでもあります。
正社員というものを一歩引いた目で見たとき、自分の選択の幅が広がることになると思っています。

この記事は過去の「就職先を決めるきっかけとなったマンガと正社員をやめることを後押しした言葉」を加筆、修正したものです


市場原理は至上原理か
永井俊哉
Nagai, Toshiya
2016-03-05